パテック・フィリップ
言わずと知れた、世界最強の超一流高級時計です。
ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲと共に世界三大高級時計メーカーに上げられることが多いですが、感覚的には2社よりもワンランク上の高級感がありますね。
もちろんこのクラスになるとアンティークだろうが中古だろうが超一流の価格帯になっております。
パテック自身が中古市場に介入して高値で買い戻していることも要因のひとつかもしれませんが、やはりその完成度はため息が出るくらいすばらしい出来です。どうしてもWEBの画面では伝わりづらいですが、現物はどれもオーラがあります。(現物を見ただけですが・・・。)
本当の成功者のみ所有できる時計です。
ちなみにユーザーは、天皇家代々、ヴィクトリア女王、エリザベート女王、アインシュタインなどなど、現代の超VIPだけではなく、歴史上のVIPもパテックユーザーです。
(画像出典:brand note)
どんなメーカー?
世界最高級ブランドの始まり
パテックフィリップは1839年に2人のポーランド人、アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランチシェック・チャペックによって創業されました。
パテック18歳、チャペック19歳の時にポーランド人による独立戦争11月蜂起に2人は参加、ロシア軍と戦います。特にパテックは軍人としての才覚にも恵まれていたらしく、その活躍により少尉に昇進、「8月1日旅団」の副官にまで昇格しました。参加の翌年の1831年には功績が認められ、ポーランド軍最高の栄誉である「ヴィルトゥーティ・ミリターリ勲章」を受勲するまでに至ります。1832年にはロシア軍に制圧されたポーランドから亡命することになりますが、その時にもポーランド軍のユーゼフ・ベム将軍直々に実力を認められて、脱出ルート上の集結地点のうちの1つのポーランド軍陣地の司令官に任命されるなどします。
創業に先立つこと四年の1835年頃に、パテックとチャペックはスイスのジュネーヴに移住し、パリへ旅に出て培った経験から高級懐中時計の販売を始めました。そして1839年5月1日2人は共同で事業を開始することに合意し、同郷の時計製造業者のヴァヴジニェツ・ゴストコフスキ、ヴィンセンティ・ゴストコフスキ、ヴワディワフ・バンドゥルスキから財政的な援助を得て「Patek, Czapek & Cie」を創業します。Patek, Czapek & Cieは1850年ごろまでポーランドの歴史と文化に関連したデザインの懐中時計をオーダーメイドで製造していました。
もう一人のパテックフィリップの立役者、ジャン・アドリアン・フィリップと出会ったのは1844年、パテックが自社製品をパリの博覧会に出品するために赴いたパリでのことでした。パテックはフィリップが発明した「リューズ巻き上げ、時刻合わせ」の機構に大変感銘を受け、意気投合したのです。翌年5月1日フィリップが入社し、社名を「Patek & Cie」に改めます。自社初の懐中ミニッツリピーターの製作に成功し、フランツ・リスト、シャーロット・ブロンテ、レフ・トルストイ等、名だたる音楽家や文豪などの芸術家達が懐中時計を購入したのもこの年です。
フィリップの入社から二週間余りで創業者であるチャペックはPatek & Cieから去り、その後チャペックはポーランド・フランスで時計を製造していましたが、1869年頃の会社清算の折に消息不明となってしまいました。
著名人に愛されたパテックフィリップ
「世界最高の時計製造ブランド」パテックフィリップの今日の名声は、古くからそれぞれの時代の、文字通り時の人から熱い支持を得てきたからこそのものです。
古くは1849年のアメリカティファニー社への懐中時計供給にはじまり、なんと言っても1851年、ヴィクトリア女王がリューズ巻上げ・時刻合わせ式の18金ペンダントウォッチを購入したことでその名声は爆発的に世界へ知れ渡りました。その後も1867年6月26日にローマ教皇ピウス9世が18金懐中クォーターリピーター(裏蓋には教皇の紋章と両側に月桂樹が七宝で描かれた特別仕様)を購入し、1877年にはピョートル・チャイコフスキーがルイ15世スタイルの懐中クォーターリピーターを。その他にはキュリー夫人、アインシュタイン、ヴィルヘルム1世、ワーグナー、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、プーシキン、ウォルト・ディズニー、クラーク・ゲーブル…正しく枚挙に暇がありません。
余談ですが、日本人で初めてパテックフィリップの販売台帳に記録が残っているのは1867年、同年開催されたパリ万国博覧会に出席するため渡欧し、ジュネーブに訪問した徳川昭武です。購入したのは両蓋竜頭巻上げ懐中クロノメーター(イエローゴールド)、両蓋竜頭巻上げ懐中[アラーム付](イエローゴールド)、オープンフェース竜頭巻上げ懐中時計(ローズゴールド)の三点で、徳川昭武は第十五代将軍、徳川慶喜の実弟にあたり、当時14歳でした。また、パテックフィリップの著名顧客名簿には、大正天皇、昭和天皇と、さらに今上天皇がご購入された記録が残っています。
事業の拡大、再編と名作の誕生
1929年、世界大恐慌の煽りを受け、Patek & Philippe Cieは経営難に直面します。この時文字盤製造業者のジャン・スターンとシャルル・スターン兄弟が資本参加し、3年後にスターン兄弟に買収された際に社名が現在の「Patek Philippe S.A.」へと変更になりました。組織として大きな変動を経験したパテックフィリップでしたが、後に高級腕時計の代名詞となるカラトラバの発売を行ったのもこの時期です。また、ティファニーを通じてヘンリー・グレーブス・ジュニアから「史上一番複雑な時計」を受注し24機能の複雑時計「グレーブス・ウォッチ」を製作、60,000スイスフランで売却しています。
(上記、TOKIO-WATCH様より引用)
ネットで見つけたおすすめアンティーク品(超絶独断と偏見)
カラトラバ トロピカル
ケース材質:YG(イエローゴールド)
ケースサイズ:35mm
駆動方式:自動巻き
キャリバー:Cal.12-600AT
文字盤の色:アイボリー
1960年製造
*BEYERとのダブルネーム品
パテックフィリップ Ref.3417
主要パーツに非磁性素材を用いた画期的なCal.27-AM400通称’Aマグ’を搭載したレアモデル。
シンプルの中にも当時の斬新的な技術が伺えます。
機械種類:手巻き
ケース材質:SS
ケース仕様:スクリューバック
ケースサイズ:35ミリ
ケースNo:2627873
キャリバー:Cal.27-AM400
キャリバーNo:732013
ベルト幅:18ミリ
1962年製造
パテック・フィリップ Ref.570
クラシックカラトラバの中では35mmの大きなケースでビッグカラトラバと呼ばれているモデルです。
日付をも排除したシンプルかつ完璧なバランスですね。
機械種類:手巻き
ケース材質:18KYG
ケース仕様:スナップバック
ケースサイズ:35ミリ
ケースNo:312796
キャリバー:Cal.27SC
キャリバーNo:710293
ベルト幅:19ミリ
1962年製造