サフィール ノワール クレム 1925は素晴らしい!他との違いを解説!

サフィールノワールクレム1925

サフィールとは?

サフィールの歴史

サフィールはアベル社が出しているブランドの一つです。沿革としては1920年サフィール設立、1925年パリ万博で金賞を受賞、1979年アベル社がサフィールを取得、1986年生産をフランスへ移管。以降、フランスでの一貫生産を貫いています。設立から1世紀経ってさらに衰えることのない人気が品質の高さを物語っています。実はシューケア用品以外にも革製や木製の家具用、大理石やテラコッタなどの床材用、それに銀や錫・銅製品用のケア用品の販売もしています。シューケア用品が圧倒的に有名ですが、大きくはアベル社というケア用品を販売する会社です。歴史が永く昔ながらの天然素材を使う姿勢はシューケア用品以外でも同じでフランスの美術館や博物館に採用されています。

OEMしているメーカー

ケアクリームを提供しているブランドは公にしているだけでも、ジョンロブ、ベルルッティ、JMウエストン、ガジアーノ&ガーリングなど名だたる高級靴ブランドばかりです。一流ブランドを虜にしているのはこだわりの天然素材のみだけではありません。サフィールでは各ブランドのアッパー素材に合わせてクリームのレシピを変えています。一流の素材&一流の対応、まさに世界のブランドが全幅の信頼を置いています。

サフィールノワールクレム1925の選び方、使い方。

サフィールノワールとは?

サフィールノワールクレム1925

SAPHIR Noir(サフィール ノワール)」について
1925年のパリ万国博覧会にてサフィールがレザーケア製品の品質で金賞を受賞して以来、継続的な研究と皮革製品や靴業界における世界的なトップブランドとの密接な協力関係によりサフィール・ノワール(MEDAILLE D’OR)は「プロフェッショナル」のためのレザーケア用品としてつくられました。
最高品質のテレピン油やビーズワックス、カルナバワックス、ラノリン、ミンクオイル、ニートフットオイル、植物性油分などの天然原料を厳選し、極限までその配合比率を高めた調合はハイエンドクラスの皮革製品のケアに求められる品質と性能を完璧に満たしており、仕上げやメンテナンス用として世界的に有名なシューメーカーやレザー製品メーカーで採用されています。
また多くの有名ブランドの純正ケア用品のOEMもこのサフィール・ノワールの品質で供給されています。
すなわち、サフィール・ノワール(MEDAILLE D’OR)は高級シューケアブランド サフィール(SAPHIR)の中でも最高品質を誇るハイグレードラインであり、数あるシューケアブランドを代表する珠玉の逸品です。

引用:サフィールHP

色の選び方

サフィールノワールクレム1925には14 色の色があります。
サフィールノワールクレム1925
油分が多く、補色がしやすい成分なので補色を目的する場合以外(通常の手入れの場合)はニュートラルをおすすめします。特にアッパーにムラ感のある革を使用している靴はニュートラルがおすすめです。(クリームの色一色になるので全体的にノッペリしてしまうため。)逆に黒の革靴の場合は常に補色しても問題ないためブラックがオススメです。
いずれにしても14色も選択肢があり、ブラウン系の色もかなり充実しているので基本はこの中から合う色が見つかると思います。

主な成分

成分表には「ろう」「油脂」「有機溶剤」としか書いていませんが、HPの紹介文からは「最高品質のテレピン油」「ビーズワックス」「カルナバワックス」「ラノリン」「ミンクオイル」「ニートフットオイル」そして「シアバター」が配合されている旨読み取ることができます。
簡単にどんな成分かを調べてみました。
全て天然素材です。

テレピン油

松脂の水蒸気蒸留によって作られ、空気中で酸化すると徐々に粘性が高くなる。医療用にも使われているくらい安全性が高い。

ビーズワックス

名前の通り、ミツバチの巣を構成する蝋を精製したもの。医療用や食用として利用されている。ビタミンが豊富。

カルナバワックス

椰子科の植物の葉から採取した天然ワックス。デリケートクリームなどにも配合されており、潤いを与える効果がある。

ラノリン

ウールに覆われた動物の皮脂腺から分泌される蝋で防水性があるため水を弾く。皮膚の保護を目的として美容に使われる場合もある。

ミンクオイル

名前の通り、ミンクという動物からとれる油脂です。ブーツなどの保湿に使われる代表的なオイル。

ニートフットオイル

牛脂油。牛脚骨から得られるオレイン酸を主成分とするオイル。

シアバター

アカテツ科のシアーバターノキの種子の胚から得られる植物性脂肪。常温で固形、肌に塗ると体温で溶けて浸透するため、植物性油脂であっても「オイル」ではなく「バター」と称される。ハンドクリームなどで有名なロクシタンでも使われている。

基本的な使い方

汚れ、埃を落とす。

馬毛の柔らかいブラシで汚れや埃を落とします。クリームやワックスて手入れしている場合にはリムーバーを使いましょう。
サフィールノワールクレム1925
*ベージュの方は化学繊維のブラシでアッパーのホコリを落とす用、黒い方は豚毛で靴底の汚れを落とす用に使っています。

クリームを塗る。

クリームを指に取り靴に塗り込みます。この時出来る限り素手で塗るのがオススメです。サフィールノワールクレムにはシアバターが入っており、シアバターの融点が36°であるため丁度体温で溶け出します。クリームの伸びが全然違います!

5分放置

栄養を染み込ませるため5分ほど放置します。
サフィールノワールクレム1925

ブラッシング

豚毛のブラシでマッサージするようにブラッシングします。余分なクリームが残らないように丹念にブラッシングして下さい。
サフィールノワールクレム1925
写真の状態はまだワックスを塗っていない状態です。これから同じくサフィールノワールのワックスで仕上げていきます。

仕上り

今まで使ってきたクリームと比べて黒が深く黒々した雰囲気に仕上がりました。また塗っている際もクリームの伸びがかなり良かったです。
写真の向かって左側がサフィールクレム1925で仕上げた写真です。(向かって右は別のクリームを使ったのですが、それは後程)
サフィールノワールクレム1925

サフィールビーズワックスファインクリームとの違いをチェック!

サフィールは上記で紹介させていただいた「サフィールノワール」の他に「サフィール」のみのブランド展開もしています。
「サフィールノワール」がプロ仕様なのに対して「サフィール」は一般ユーザー向けというのが最もわかりやすい分け方です。
パッケージも違います。

サフィールノワールクレム1925

今回違いをチェックするのは「サフィール」から発売されているビーズワックスファインクリームというシューケアクリームです。どちらも天然素材を使い、素晴らしいクリームであることに変わりはありませんが、サフィールノワールクレム1925が「長い歴史の中で昔らかの製法を守る最高級」なのに対してサフィールビーズワックスファインクリームは「現代に合わせた高級シューケアクリーム」といったところです。
成分としては、ノワールが「油性」が強いのに対して、ビーズワックスは「乳化性」というところも大きなポイントです。

油性と乳化性の違い(サフィールノワールクレム1925の弱点!!)

シューケアクリームには大きく分けて「油性」と「乳化性」があります。シューケア製品を販売している店の中でも明確に分けられているわけでは無いので混同しがちですが、この2つには大きな違いがあります。それは、「油性」が水分を一切含んでいないのに対して「乳化性」は水分を含んでいる点です。元来、革の保湿には「水分」と「油分」が必要となりますが、「油性」は水分を含んでいないため、革の水分補給ができません。対して「乳化性」は水分を含んでいるため革の保湿が可能になります。仕上がりとしては、「油性」がピカピカに、「乳化性」は少し曇りがかったようなイメージの仕上がりになります。もうお分かりかと思いますが、サフィールノワールクレム1925はとても素晴らしいクリームですが、「油性」に該当するのでコレので手入れを続けることはおススメできません。使い方としては、ホコリ落とし→*重要*デリケートクリームで水分補給→サフィールノワールクレム1925の流れがおススメです。このページの最後にデリケートクリームを使ったプレメンテの方法を記載しておくので是非確認してみてください。

サフィールとは?

サフィールノワールクレム1925

SAPHIR(サフィール)について
1920年に誕生したサフィール(Saphir)は、今ではフランス製の一流シューケア・レザーケアブランドとして認知されています。
皮革のケアと補修用品の品質についての世界的なリーダーとして、伝統的な製造工程とプレミアム品質の原料を適切に調合することにより、サフィール製品はあらゆる種類の革の保護と美しさを保つためのクオリティーブランドとして世界5大陸の65カ国以上で広く愛用されておます。 そのサフィールブランドの掲げる目標とポリシーは「常にその商品が最高の効果を発揮するために、厳選した天然原料から製品を製造し提供すること」で、テレビン油、ビーズワックス、カルナバワックス、オゾケライトワックス、ラノリン、ホホバオイル、ミンクオイル、ニートフットオイル、スウィートアーモンドオイルなどの天然原料にこだわり、革に悪影響を及ぼす合成樹脂やシリコンなどを配合することのない世界で唯一のブランドです。
サフィールブランドの製品はあなたがたの大切な持ち物の価値をより高めながら、気まぐれな天候からも守ってくれます。

引用:サフィールHP

特徴

天然素材を使った乳化性クリームでコスパが最高です。定価900円(税込み価格972円)また乳化性クリームですが、そこそこツヤも出ます。匂いも好きですし、クリームの延びもいい感じです。とてもバランスの取れた乳化性のクリームです。

豊富な色

サフィールビーズワックスファインクリームには76種類も色の選択肢があります。
補色する目的がなければ黒かニュートラルをおススメします。これだけ色があったらまず外れないですよね。
サフィールなのでもちろん靴以外のインテリアなども想定しての事かと思いますが…これだけ選べる色があると圧巻です。
サフィールノワールクレム1925
サフィールノワールクレム1925
サフィールノワールクレム1925
サフィールノワールクレム1925
特にブラウン系のこだわりが半端じゃないですね。

成分比較

成分には「ろう」「油脂」「有機溶剤」との記載ですが、乳化性なので水も配合してあります。ノワールにはシアバターが配合されていますが、ビーズワックスには配合されていません。仕様感としては、油分の多いノワールの方が伸びがあり少ない量で全体に塗ることができます。
ビーンズワックスにはノワールクレムに対して「オゾケライトワックス」、「スウィートアーモンドオイル」が配合されているようなので成分について少し調べてみました。

オゾケライトワックス

炭化水素から出来ているミネラルのワックス。

スウィートアーモンドオイル

アーモンドの種子から出来るオイル。スウィートアーモンドオイルを精製したものは人のケア用品として無印良品などでも販売しています。

仕上がり比較

とにかく仕上がりを比較してみないとわからないので片方ずつ塗ってみることにしました。
サンプルはスコッチグレインシャインオアレインです。向かって左にサフィールノワールクレム1925、右にサフィールビーズワックスファインクリームを塗っていきます。
サフィールノワールクレム1925

使用感

ノワールはクリームの伸びがかなり良く、仕上がりの黒が深い感じがします。一方ビーズワックスの方はノワールに比べると少し曇っているように感じます。
*写真ではかなり分かりづらいですが…
サフィールノワールクレム1925
*繰り返しになりますが、ビーズワックス保湿効果(水)も兼ねていますので物の性質上少し曇った感じになるのは致し方ありません。

人気ブランド!ブートブラックとの違いもチェックしてみました

次に人気のブートブラックのクリームとも比較してみました。
サンプルはスコッチグレイン匠シリーズ(7年物)です。ブートブラックはシャインオアレインを購入した時にスコッチグレインの店員さんがおススメしてくれるクリームなので保湿面からも信頼度の高いクリームです。
向かって左にサフィールノワールクレム1925を、右にブートブラックを塗ってみました。
サフィールノワールクレム1925

仕上り

油性ということもありやはりノワールの方が黒が深く仕上がります。
(写真ではわかりずらいかもしれませんが光り方がギラついた感じです。)
またクリームの延びも圧倒的にノワールの方が勝っていて使いやすさも格別でした。
サフィールノワールクレム1925

未使用の靴に使う場合 水分も必要!サフィールノワールクレム1925を使う場合のプレメンテ!完全版!

せっかくなのでサフィールノワールクレム1925を使ってプレメンテを実施してみました。
「油性」の性質があるサフィールクレム1925を塗る前にデリケートクリームを塗って水分補給をするメンテ方法です。
今回磨くのは先日三田のアウトレットで購入したシェットランドフォックスです。

サフィールノワールクレム1925

ブランド シェットランドフォックス
製造国 日本
シリーズ名 ブリストルシリーズ
デザイン Uチップ
製法 グッドイヤーウェルト製法
サイズ 24cm
ウィズ EE
甲革 ブリストルカーフ(イタリア製)
靴底 レザーソール+スチールトゥ

シューレースを外す

細かいホコリを落としたり、クリームを隅々まで塗るためにシューレースを外します。
サフィールノワールクレム1925

シューツリーを入れる

シューレースを外したら型崩れを防ぐためシューツリーを入れます。
サフィールノワールクレム1925

ホコリを落とす

細かいホコリを柔らかい馬毛のブラシで落とします。
*写真の背景色で靴の色が変わって見えますが同じ靴です。
サフィールノワールクレム1925

デリケートクリームと塗る

乳化性のクリームよりも水分を多く含んだデリケートクリームを塗りこんでいきます。
水分が多く、少しの量でかなり伸びるので手に取る量はかなり少なめでOKです。
薄く塗り終わったら2~3分ほど放置します。
サフィールノワールクレム1925

ブラッシング(馬毛)

やわらかい馬毛のブラシで残ったクリームを取るようにやさしくブラッシングする。
サフィールノワールクレム1925

サフィールノワールクレム1925を塗る

ここでノワールの登場です。
油分が多く、融点が低いの素手で塗るとキレイい塗ることが出来ます。
サフィールノワールクレム1925

5分放置

クリームを浸透させるため5分程放置します。
サフィールノワールクレム1925

ブラッシング(豚毛)

5分放置したら今度はコシのある豚毛のブラシでマッサージするようなイメージで余分なクリームを取ります。
サフィールノワールクレム1925

ソールに油分補給(レザーソールのみ)

最初はソールが固く、歩くとつま先が削れやすくなっています。
少しでも柔らかくするためソールに油分補充して柔らかくします。
この作業は履き始め後のメンテでも実施することによってレザーソールの密度を高めてくれるのでソールの削れも多少和らげてくれます。
ブーツなどで使うミンクオイルでもOKです。
(*ロウが入っているクリームは滑りやすくなるため気を付けてください。)
サフィールノワールクレム1925

ワックスで仕上げ

最後につま先と踵の部分にワックスをかけていきます。
今回はクレムノワールのワックスとKIWIのドライワックスで仕上げました。
サフィールノワールクレム1925
サフィールノワールクレム1925
今回シェットランドフォックスを初めて購入しましたが、ラストも日本人向けで履きやすく革もキメが細かく、造りも丁寧で最高の一足です。
プレメンテした靴は廃盤品ですが、シェットランドフォックスにはさらに上級のラインもあり、正直底がしれません。
さらに買い足してしまいそうです!
もしシェットランドフォックスを購入検討されているのであればリーガルの「シューズ・ストリート」がおススメです。シェットランドフォックスはリーガルの店舗で販売されていますが、メインのショップでないと品ぞろえがかなり少ないです。シェットランドフォックスの専門店は日比谷にしかないのでほとんどの方が一部商品しか見られないと思います。
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サフィールノワールクレム1925まとめ

今回はサフィールノワールクレム1925を中心にまとめさせて頂きました。クリームの伸び、仕上がり、(あと匂い)品質的には最高のものですが唯一の弱点が「油性」であるが故、補水できない点です。これ1本で全てが賄える万能性はありませんが、デリケートクリームと併用することによりその弱点も克服することができます。今回、このページをまとめるにあたって、色々なサイトやYouTubeなどで名だたるシューシャイナーの皆様がこぞってサフィールノワールクレム1925を使っている理由が分かりました。サフィールノワールクレム1925、初心者~上級者まで超おススメ商品です!!